豊穣之王
豊穣之王(シュブ・ニグラト)は、リムル=テンペストが所有する究極能力である。獲得した能力を情報として保存し、それを基に新たな能力の創造・複製・贈与を行う、能力管理に特化した力である。[1]
| 豊穣之王 | |
|---|---|
![]() 書籍第15巻表紙のリムル=テンペスト(参考画像)。 出典:『転生したらスライムだった件 15』|GCノベルズ、イラスト:みっつばー。©伏瀬/マイクロマガジン社。2026年9月7日閲覧。2026年9月7日閲覧。 | |
| 読み | しゅぶ・にぐらと |
| 外国語表記 | Shub-Niggurath |
| 種別 | 究極能力 |
| 所有者 | リムル=テンペスト |
| 創造者 | シエル |
| 進化前 | 誓約之王(ウリエル)[注 1] |
| 状態 | 現存 |
| 初登場 | 書籍:第15巻(411頁) |
| 備考 | 能力情報の創造・複製・贈与・保存を司る |
概要編集
書籍第15巻、シエルがリムル=テンペストの能力を大規模に整理した際に生み出した究極能力。[1]
「能力創造」「能力複製」「能力贈与」「能力保存」の四権能を持つ。食物連鎖や解析によって得られた能力情報を蓄積し、必要に応じて新たな能力へ組み直したり、適性のある相手へ渡したりできる。
直接戦闘のための能力ではなく、リムルとその配下が持つ膨大な能力を一括して管理するためのもの。攻撃・防御を担う「虚空之神(アザトース)」に対し、「豊穣之王」は能力の保管庫と加工機構として機能している。
獲得・進化編集
書籍第15巻、ヴェルドラ=テンペストとヴェルグリンドを取り戻したリムルは、神智核へ進化したシエルに能力の整理を任せた。[1]
シエルは「智慧之王(ラファエル)」「暴食之王(ベルゼビュート)」などを再編し、「虚空之神(アザトース)」を構築。同時に、それまで個別に保持していた多数の能力も情報として整理した。
この過程で「誓約之王(ウリエル)」も解体される。誓約之王が持っていた、仲間との繋がりを通じて能力を集約・管理する性質は「豊穣之王」へ受け継がれ、残された能力因子はヴェルグリンドの「救恤之王(ラグエル)」と統合されて「炎神之王(クトゥグア)」となった。[1]
そのため、「誓約之王→豊穣之王」は通常の一対一の進化ではない。誓約之王を分解したうえで、その本質を新たな能力管理機構として作り直したものに近い。
第23巻の時点でもリムルの究極能力として残っており、消失や別能力への進化はしていない。[2]
能力編集
権能編集
- 能力複製
- 取得済みの能力情報から複製を作る。
- 元の能力を失うことなくコピーを用意できるため、「能力贈与」と組み合わせて他者へ能力を与える際の基礎となる。
- 能力保存
- 獲得した能力を情報化して保存し、必要な時に再現できるようにする。
- 使用頻度の低い能力まで個別に保持する必要がなくなり、リムルが得てきた膨大な能力を整理して利用できるようになった。
性質・制約編集
「豊穣之王」が扱うのは、能力そのものよりも能力の情報である。
リムルは「食物連鎖」によって配下が得た能力情報を共有でき、捕食・解析によって敵からも情報を得られる。「豊穣之王」はそれらを保存し、必要に応じて複製・再構成する。情報を得ていない能力を無条件に生み出せるわけではない。
また、実際の能力設計ではシエルの演算能力が大きな役割を担っている。「豊穣之王」そのものが独立して最適な能力を考案するのではなく、シエルが蓄積された情報を選び、組み合わせ、対象へ適合させるという形で運用される。
この点は書籍第23巻で明確になる。シエルと一時的に切り離されたリムルは、「豊穣之王」に保存された能力情報を持ちながらも、「能力創造」や「能力複製」などを十分に扱えなくなっていた。[2] 権能そのものと、それを高度に運用するシエルの演算能力は別物である。
使用例編集
- 能力の整理・保存
- 第15巻の能力再編では、リムルがそれまで獲得していた多数の能力を情報化して保存した。[1]
- 必要な能力だけを常時保持し、それ以外は再現可能な情報として管理することで、能力体系そのものが大幅に整理された。
- 配下への能力贈与
- 第16巻では、シエルが配下の能力や適性を調べ、究極級の能力へ最適化する処理を多数行っている。[3]
- ソウエイの「月影之王(ツクヨミ)」、ゲルドの「美食之王(ベルゼバブ)」、ガビルの「心理之王(ムードメーカー)」、クマラの「幻獣之王(バハムート)」、アピトの「女王祟拝(プロセルピナ)」などがその例である。
- ただし、作中では個々の能力改変について毎回「豊穣之王を使用した」と明記されているわけではない。実際の設計・調整はシエルが行っており、「豊穣之王」はそのための能力情報を管理・贈与する基盤として位置付けられる。
- 能力の再現
- 保存済みの能力は、必要になれば再び構築できる。
- このため、一度解析・取得した能力を失ったとしても、情報が「能力保存」に残っている限り再現の対象となる。
所有者編集
進化・派生関係編集
| 区分 | 能力 | 備考 |
|---|---|---|
| 進化前 | 誓約之王(ウリエル) | 単純進化ではなく、その本質を継承して再構築 |
| 統合元 | — | 食物連鎖や解析で得た多数の能力情報を管理対象とする |
| 本能力 | 豊穣之王 | シエルが書籍第15巻で構築 |
| 進化後 | — | 第23巻まで現存 |
| 派生 | 各種能力・究極贈与 | 「能力創造」「能力贈与」により対象に適した能力を構築可能 |
余談編集
「シュブ・ニグラト(Shub-Niggurath)」は、H・P・ラヴクラフトらの作品に登場するクトゥルフ神話の神格。1928年の『The Last Test』で名前が登場し、その後の作品では「千の仔を孕みし森の黒山羊」「万物の母(All-Mother)」など、繁殖や豊穣を想起させる呼称で語られている。[4]
「豊穣之王」という漢字名は、この豊穣・多産のイメージと対応している。作中でも、一つの能力から複製を生み、新しい能力を作り、さらに配下へ分け与えるという性質を持つため、名称との結び付きは分かりやすい。
また、第15巻で同時に成立したリムルのもう一つの究極能力は「虚空之神(アザトース)」。一方が破壊・捕食・虚数空間を扱い、もう一方が能力を保存して生み出すという対照的な構成になっている。
伏瀬が公開した「スキル一覧」でも、「豊穣之王」はリムル所有の能力として「能力創造・能力複製・能力贈与・能力保存」の四権能が記載されている。[5][注 2]
脚注編集
注釈編集
出典編集
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 伏瀬『転生したらスライムだった件』 第15巻、マイクロマガジン社〈GCノベルズ〉、2019年10月3日。ISBN 978-4-89637-923-5。411頁。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 伏瀬『転生したらスライムだった件』 第23巻、マイクロマガジン社〈GCノベルズ〉、2025年11月29日。ISBN 978-4-86716-873-8。
- ↑ 伏瀬『転生したらスライムだった件』 第16巻、マイクロマガジン社〈GCノベルズ〉、2020年4月1日。ISBN 978-4-89637-989-1。
- ↑ “A Lovecraftian Bestiary”.The H.P. Lovecraft Archive.2026-09-07閲覧。
- ↑ “スキル一覧”.小説家になろう.HinaProject Inc..2026-09-07閲覧。
関連項目編集
外部リンク編集
- “リムル=テンペスト”.「転生したらスライムだった件」ポータルサイト.2026-09-07閲覧。
- “スキル一覧”.小説家になろう.HinaProject Inc..2026-09-07閲覧。
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