希望之王
希望之王(サリエル)は、グランベル・ロッゾが獲得し、後にクロエ・オベールへ託された究極能力である。生命の根源と輪廻の輪を管理し、「生と死」を司る。[1]
| 希望之王 | |
|---|---|
| 読み | サリエル |
| 外国語表記 | Sariel |
| 種別 | 究極能力 |
| 系統 |
天使系 美徳系 |
| 過去の所有者 |
ヴェルダナーヴァ グランベル・ロッゾ クロエ・オベール |
| 創造者 | ヴェルダナーヴァ |
| 進化前 |
|
| 進化後 |
|
| 状態 | 統合により消失 |
| 初登場 | 書籍:第11巻 |
| 備考 |
|
概要
ヴェルダナーヴァが生み出した天使系究極能力のうち、上位七種に位置する美徳系の一つ。生命の根源と輪廻の輪を管理する権能であり、「生と死」を司る。[2]
書籍第11巻、グランベル・ロッゾの固有能力「不屈者(アキラメヌモノ)」が進化して発現した。グランベルの死後は、その希望とともにクロエ・オベールへ託されている。[1]
書籍版では権能の内訳が細かく列挙されておらず、「生命の根源」「輪廻の輪」を管理することが本質として示されている。そのため、蘇生・即死・回復などを個別の権能として断定するのは適切ではない。
獲得・進化
グランベルによる獲得
書籍第11巻、ルミナス・バレンタインとの決戦に臨んだグランベルは、盟友ラズルの死を感じ取る。
マリア、ラズル、そしてグランベル自身の力と想いが魂の中で昇華され、絶望の中で再び「希望」を見いだしたことで、「不屈者(アキラメヌモノ)」は究極能力「希望之王」へ進化した。[1]
これによってグランベルは、同じく戦いの中で「色欲之王(アスモデウス)」へ到達したルミナスと、究極能力所有者同士として最後の一騎打ちを行った。
クロエへの継承
ルミナスとの戦いに敗れたグランベルは、最期に「希望之王」をクロエ・オベールへ託すようルミナスへ頼んだ。[1]
その後、クロエの内部からヒナタ・サカグチの魂を分離して元の肉体へ戻す際、ルミナスは失われる分のエネルギーを補う形で「希望之王」をクロエへ移植する。こうしてグランベルが遺した「希望」は、次代の勇者であるクロエへ受け継がれた。
クロエはすでに「時空之王(ヨグ・ソトース)」と神智核「クロノア」を有しており、「希望之王」はそれらとは独立した究極能力として保持された。
天使長の支配
書籍第16巻、フェルドウェイはクロエが天使系究極能力「希望之王」を所有していることを察知し、「天使長の支配(アルティメットドミニオン)」を発動する。[3]
支配の影響によってクロエの意識も奪われかけるが、クロノアが「希望之王」の制御を抑え込んだことで、クロエは自我を取り戻した。その代わり、クロノアはサリエルの抑制に専念する必要が生じ、クロエとの意思疎通や「時空之王」の運用にも支障が出た。
リムル=テンペスト側から能力改変による救援を受けることも可能だったが、クロエとクロノアは自力で支配を克服することを選んでいる。
時空之神への統合
書籍第19巻までに、クロエは「希望之王」を完全に自らの力として昇華し、「天使長の支配」の影響から脱した。[4]
その後、ミカエルとの戦いで「正義之王(ミカエル)」の情報を取り込み、「希望之王」に不足していた要素が補完される。これを契機として「希望之王」は「時空之王」へ完全に統合され、究極能力「時空之神(ヨグ=ソトホート)」へ進化した。
これにより、「希望之王」は独立した究極能力としては消失した。
統合後に残った「希望之王」の残滓は、クロノアからシエルへ譲られている。[4][注 1] ただし、これは能力そのものをリムルへ譲渡したという意味ではなく、リムルを「希望之王」の歴代所有者として扱う必要はない。
能力
権能
- 生命支配
- 生命の根源と輪廻の輪へ干渉する、「希望之王」の中核となる権能。
- 「色欲之王(アスモデウス)」と同じく生と死に関わるが、希望之王は特に生命の根源と輪廻の管理を担う。[2]
- 具体的にどこまで蘇生・治癒・生命奪取が可能なのかなど、細かな能力範囲は書籍版では明示されていない。
性質・制約
「希望之王」は生命と輪廻を扱う強力な能力だが、作中ではその全権能が一覧形式で公開されていない。そのため、「生と死を司る」という説明から個別の能力を推測して追加するべきではない。
また、美徳系を含む天使系究極能力であること自体が弱点となる。「正義之王(ミカエル)」の「天使長の支配」は天使系能力へ干渉できるため、クロエほどの実力者でも「希望之王」を経由して支配を受けた。[3]
一方、クロエは能力そのものを自力で昇華させることで支配経路から脱している。能力を捨てるのではなく、自らのものとして完全に掌握した点が特徴である。[4]
使用例
堅忍不抜 - グランベル・ロッゾが「希望之王」を用いて放った最終奥義。[1]
- 究極能力の力を神話級武器「真意の長剣(トゥルース)」へ込め、ルミナス・バレンタインの「死せる者への鎮魂歌(メモリーエンドレクイエム)」と正面から激突した。
- グランベルが「不屈者」から「希望之王」へ到達した直後に放った技であり、彼の勇者としての生き方を象徴する一撃となった。
- クロエへの継承
- グランベルの死後、ルミナス・バレンタインによってクロエへ移植された。[1]
- ヒナタの魂をクロエから分離することで生じる欠損を補う役割も果たし、クロエの魂と肉体を安定させている。
所有者
- グランベル・ロッゾ
- 元「光の勇者」。書籍第11巻、ルミナス・バレンタインとの決戦で「不屈者」を「希望之王」へ進化させた。
- 敗北後、最後の希望として能力をクロエ・オベールへ託した。
- クロエ・オベール
- グランベル・ロッゾから託された「希望之王」を継承。
- 第16巻では「天使長の支配」の標的となったが、自力でその影響を克服。第19巻で「時空之神(ヨグ=ソトホート)」へ統合されたため、現在は独立した能力として所有していない。
残滓・能力情報
- リムル=テンペスト/シエル
- 第19巻でクロノアから「希望之王」の残滓を受け取った。
- シエルはその能力情報を保持しているが、クロエから「希望之王」そのものを譲渡されたわけではないため、歴代所有者とは区別する。
進化・派生関係
| 区分 | 能力 | 備考 |
|---|---|---|
| 進化前 | 不屈者(アキラメヌモノ) | グランベル・ロッゾが所有していた固有能力 |
| 統合元 | — | |
| 本能力 | 希望之王 | グランベルが獲得し、死後クロエ・オベールへ継承 |
| 進化後 | 時空之神(ヨグ=ソトホート) | 「正義之王」の情報によって不足していた要素が補われ、「時空之王」へ完全統合 |
| 派生 | — |
余談
「サリエル(Sariel)」は『エノク書』などに名が見られる天使で、七人の聖なる天使の一人として数えられる。『第一エノク書』では、人の霊や罪に関わる監督者として描かれている。
一方、伝承上のサリエルが「希望」を司るという定説はない。「希望」という性質は転スラ独自のもので、絶望の底にいたグランベル・ロッゾが、マリアやラズルとの絆を経て再び希望を得た瞬間に能力が誕生するという物語上の経緯と直接結び付いている。
伏瀬がWeb版完結後に公開した「スキル一覧」にも「希望之王」は登場するが、Web版では「絶対切断」「無限牢獄」など多数の能力を内包する構成となっており、書籍版とは大きく異なる。[注 2]
脚注
注釈
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 伏瀬『転生したらスライムだった件』 第11巻、マイクロマガジン社〈GCノベルズ〉、2017年12月13日。ISBN 978-4-89637-678-4。
- ↑ 2.0 2.1 原作:伏瀬、編集:GCノベルズ編集部『転生したらスライムだった件 13.5 公式設定資料集』マイクロマガジン社、2019年2月4日。ISBN 978-4-89637-845-0。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 伏瀬『転生したらスライムだった件』 第16巻、マイクロマガジン社〈GCノベルズ〉、2020年4月1日。ISBN 978-4-89637-989-1。
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 伏瀬『転生したらスライムだった件』 第19巻、マイクロマガジン社〈GCノベルズ〉、2021年12月6日。ISBN 978-4-86716-203-3。
- ↑ 伏瀬『転生したらスライムだった件』 第18巻、マイクロマガジン社〈GCノベルズ〉、2021年4月8日。ISBN 978-4-86716-122-7。
関連項目
外部リンク
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